着物を着ていると、しゃんとする。


自分がそこにいる。


自分の存在を着物の中に感じる。


着物を着て過ごしたいと思う。


昔の人がそうであったように。


普通に自然になんとなく。


私がいると思えるから。



着物って不思議だ。


足

♪おめでとうのあの朝


お母さんの後ろに隠れて泣いていた♪


という歌を大きな声で歌っていた


でもあなたは入学式の時


全然泣かなかったね


不安と希望がその瞳から


キラキラとした光を放って伝わってくる


今は新しい生活に慣れるのに必死


一日一日大人になっていくのがわかる


「ただいまー!」と元気に帰ってきて


おやつを食べながら今日の出来事を一生懸命話す


あなたの小さな肩を後ろからそっと抱きしめた


卒業おめでとう

あなたの6年間は意味のある歳月だった。

私にとっても

いや、意味の無い時間というものは存在しないのだけれど。


「卒業式が終わった後、お母さんと一緒に泣きました。

でも、すっごくうれしかったよ」

あなたは出張でその場に居る事のかなわなかったお父さんに

メールでそう送ったね。


「私は無事卒業することが、できました。

お父さんやお母さんが支えてくれたおかげです」

そして私たち親は、そんな風に言ってくれる

あなたに支えられて生きているんだよ。


卒業というひとつの時の節目にすぎないけれど

気付いた思いはあなたの中で深く熟成していくだろう。


私はあなたと同じ感情を共有して共に泣けたことが

とても幸せ。

お彼岸にはぼたもちを食べる。

同じあんこをまぶしたもち米のおにぎりでありながら

春はぼたもち、秋はおはぎというのだそうだ。

古来の日本人の季節に関する感覚にはいつも感心させられる。


私はお彼岸にはいつも手作りおはぎを作る。

あんことごまときなこ

あんこは自分で炊いて、ツブツブを食感そのままに残す。

甘さもお好みで

だからたくさん食べられた。


でもこの春は作らない。

子供たちがあまり食べなくなったので。

少しだけ買ってきて、仏さまにあげよう。

彼岸の向こうから少しの間

こちらに帰ってくるであろう彼の人たちのために。


着物が好きだ

着物は日本人の民族衣装だが

着物を見ると日本人てすごいと思う

ただの長方形の布をつなぎ合わせて体に纏うだけなのに

帯とあわせたバリエーションは無限大だ

美に対する意識の高さを感じることができる



そんな着物を見ていると楽しい

自分でも着てみたくなる

嫁入り道具の桐の箪笥を開けて

肥しとなっている着物たちを広げてみよう

一張羅の薄桃色の訪問着から母のお下がりの普段着まで

自分で着付けができたらもっといいのに

そうしたら格子の着物を着てお散歩に行けるのに


もうすぐ春だから


子供の頃、友達とリカちゃんごっこをして遊んだ。

それぞれのお人形とアイテムを持ち寄って

その日の気分でキャラクターの設定をして

ドラマを作り上げるのだ。


私は前髪の短い旧リカちゃんと薔薇の髪飾り付きの新リカちゃんを

持っていたが、一番のお気に入りは

リカちゃんのお友達のはるみちゃんだった。

なぜって、私と同じ名前だったから。


そして実際、私の友達にリカという名前の子がいたのだ。

そのリアルリカちゃんはリカちゃんハウスやダイニングセットという

豪華なアイテムを持っていた。

リカちゃんハウスは当時、お金持ちの家の象徴であったシャンデリア付き。

もちろん本当にコンセントにつないで、灯りがともる。

子供の私のココロの中は羨望でいっぱいだった。


私が持っているアイテムといえば

母がハギレで作ってくれたスカートや

子供の私が自己流で編んだリカちゃん用のマフラーや手袋など。


それでも楽しかった。

私たちはリカちゃんであり、はるみちゃんだった。


当時のお人形たちはもうなくなってしまったが

今は私の娘たちが娘たちのリカちゃんを持っている。


私も私の新しいリカちゃんを持っている。

時々箱から出して、漫然と眺めている時間は

ちょっとシアワセ。



朝6時。携帯電話のアラームで起きる

今日のメロディは「人生のメリーゴーラウンド」

さあ、ダンナさまのお弁当を作らなくっちゃ。

あらご飯を炊くの忘れてるわ

パンにしよう。

食パンにチーズを挟んでチーズサンド

おかずはツナ入りオムレツにかにクリームコロッケ

コロッケは冷凍食品

水筒にコーヒーを入れて。

はい、いってらっしゃい。気をつけてね



朝7時。今日は土曜日

子供たちはまだ眠ってる

私ももう少しだけ眠ろうかしら

もう少し、あと一時間だけ

おやすみなさい

もうすぐ小学校に入学するこどもたちは

今準備に忙しい

机やランドセル、文房具

それに新しい洋服や運動靴も揃えなくちゃ

学校はどんなだろう

楽しいかしら

つまんないかも

勉強はムズカシイのかな

みんなと仲良くなれるかな

みんなの速さについていけるだろうか

期待と不安が交錯する

その小さな輝く瞳の奥で

一生懸命おとなになろうとしている

あなたたちのココロが震えているのがわかるよ

大丈夫だよと言ってあげるのが

本当のおとなの役目だとわかっているけれど

本心で言えるかどうか

実は自信がないのがウソっこのおとなのわたしたち

甘い匂いでふくらんだキッチンの空気

玄関先まではみだしている。

オーブンをあけると

チョコレートたっぷりのブラウニー

あまーいチョコレートの他に

あれもこれもいろんなものを詰め込んで

焼き上げたの。

私の大好きなチョコレートのお菓子

たまには誰かのために作るのも

いいかもしれない

そういう口実があるのも

いいかもしれない

甘いものはとりあえず

幸せな気持ちになれるからね。

口笛はなぜ遠くまで聞こえるの

あの空はなぜ青く澄んでいるの



そんなことは、どうでもいい。

もっともっともっともっともっと

知りたいことがある。

知らなければならないことがある。



教えて。

おじいさんでもおばあさんでも

通りすがりのおじさんでも

だれでもいいから。



私の本当に知りたいことを教えて。