子供の頃、友達とリカちゃんごっこをして遊んだ。

それぞれのお人形とアイテムを持ち寄って

その日の気分でキャラクターの設定をして

ドラマを作り上げるのだ。


私は前髪の短い旧リカちゃんと薔薇の髪飾り付きの新リカちゃんを

持っていたが、一番のお気に入りは

リカちゃんのお友達のはるみちゃんだった。

なぜって、私と同じ名前だったから。


そして実際、私の友達にリカという名前の子がいたのだ。

そのリアルリカちゃんはリカちゃんハウスやダイニングセットという

豪華なアイテムを持っていた。

リカちゃんハウスは当時、お金持ちの家の象徴であったシャンデリア付き。

もちろん本当にコンセントにつないで、灯りがともる。

子供の私のココロの中は羨望でいっぱいだった。


私が持っているアイテムといえば

母がハギレで作ってくれたスカートや

子供の私が自己流で編んだリカちゃん用のマフラーや手袋など。


それでも楽しかった。

私たちはリカちゃんであり、はるみちゃんだった。


当時のお人形たちはもうなくなってしまったが

今は私の娘たちが娘たちのリカちゃんを持っている。


私も私の新しいリカちゃんを持っている。

時々箱から出して、漫然と眺めている時間は

ちょっとシアワセ。